戦後史会議・松江

私たちの会は日本の近代化に疑問を持っています。近代化、国家、天皇制、植民地、戦争、ナショナリズム、沖縄、憲法、日米安保、地位協定・・・課題はたくさんあります。私たちは忘れかけている歴史に学び、問題提起をしていくことを目標にしています。

◎展望・2026年2月

今年は衝撃的な年ですね。この先も何があるか分かりません。

人間は間違える。先日の選挙は間違った選挙で、国民も間違った選択をした

741 首相の専権で解散権を乱用して800億円を費やした。「こないだ内閣を作ったばかりなのにもうやるの?!」。ほかにもいろいろな使い道があっただろうに、この800億円はもったいない。そして、実績も議論もないまま、自分の人気が高い時に「人気投票」を仕掛けて、ともかく自分の権力基盤を強化しようとするポピュリズム的な発想は、民主主義にとっては危険。このようなことから、「間違った選挙」だったと思う。

 また、衆議院の三分の二を一党が独占する結果に終わったこと
民主主義的な政治には、多様な意見と、良い意味でも悪い意味でもバランス感覚的なものが必要だが、結果として偏った勢力ができてしまった。これでほとんどの法律は自民党の思いのままにつくれることになる。

123 この結果を生んだのは、選挙制度自体にも問題があるし、野党が自滅したし…。確かに野党は頼りなく、よくわからない新党ができたりしたが、しかし、特に前回の衆議院選挙から大きく言うことが変わったわけではない。むしろ変わってなさすぎるぐらい。なのに、普通に考えて、勢力分布がここまで極端に変わるものなのだろうか?首相の人気でこうも変わるものなのか?石丸➡斎藤➡参政党➡高市?やはり雰囲気に流されやすいのか?「挙国一致」にたやすく誘導される国民性か?前回野党に投票して今回与党に投票した人に、信念や政治思想みたいなものがあるのか?コロコロ変わりすぎじゃないのか?これも怖い。勝利の要因の一つとして言われるのが、高市首相の「中国に対する毅然とした態度」が特に若者に「ウケ」たことだったそうだからなおさらである。最高権力者が「強い(強そうなふりをする)」ことが、あなたにとって良いことなのかどうか、よく考えたのだろうか?

456 今回の選挙の特徴は、若者の関心が強かったことと、若者が高市首相を「推し」たことだといわれている。僕なりに、特に若者の、高市「推し」の理由を考えると次のようになる。

第一
関西弁でシャキシャキした元気なオバサン的なキャラクターは身近でいい。「中国にもガツンと言ってやる」ことも頼もしい。トランプの隣で飛び跳ねたしぐさがかわいい。政治の世界のアイドル。消費税を減額して予算をバンバンつけるそうだし、日本をさらに発展させる庶民のリーダーが高市早苗だ。この人が首相であれば、これからの日本に希望が持てる。

第二
首相は日本の最高権力者だ。その首相が、政治がやりにくくて困っているから自分を支持してほしいといっている。それならば、高市首相がやりやすくなるように、野党に投票するのをやめて与党に投票しよう。日本の政治を正しくするために首相を応援しよう。

第三
そもそも現状は肯定的にとらえるべきであって、現代の日本は、居心地の良い社会だ。これは、これまで戦後80年、自由民主党結党から70年、政治を圧倒的に主導してきた自民党のおかげだから、それに反対することは天にツバを吐くようなものだ。ごちゃごちゃ文句ばかり言う野党などはなくてもよい。

ちょっと誇張しましたが、こんな感じではないでしょうか。

 「推さない」僕の意見は次の通り。
 首相は日本政治の最高権力者だから、人柄やキャラクターよりも何をする人かの方を僕は重視するし、SNSのイメージ戦略にもうさん臭さを感じているから、僕と若者の選択が違うのは当然だ。また、明るくて庶民的なキャラクターは良いとしても、従来の発言や櫻井よしこなどとの対談、国旗損壊罪やスパイ防止法、安保関係文書改定、武器輸出、集団的自衛権行使などやりたそうにしている政策、逆に選択夫婦別姓や軍縮、中国との外交や交流など、やりたくなさそうな政策から考えるととても「推す」気にはなれない。

 現状についても、格差が拡大し、生活が困窮して閉塞感が漂う現状を肯定する気になれない。子供の貧困や不登校、虐待、自殺などは一向になくならない。円安による物価高は続く。アメリカではトランプの独裁権力が猛威を振るっているし、相変わらず世界は不安定なままだ。ウクライナやガザはどうなった。そして日本の場合、いくら軍拡をしても東アジアの安全保障環境は悪くなる一方だ。日米安保条約、日米地位協定にいまだに縛られ続けている。狭い井戸の中で「媚米派」が「媚中派」を攻撃する暗くて小さくて醜い争い。やりきれない。「放漫財政」のツケは最終的には国民が負うことになる。消費税を減税する代わりに別のところで増税されたんじゃあ、何のことかわからない。

 国内外ともに、今のままではなく、もっと良くすることはできると思っているし、せめて今よりも悪くなるようなことはやめてほしいと切に願っている。このようなことから考えると僕には高市首相は「推せ」ない。

政治の劣化というか、衆愚的な状況も感じた

 与野党は寄ってたかって「消費税減税」を叫び、将来にツケを残す財政悪化については口をつぐむ。税収以上の国家予算を赤字国債で穴埋めする「薬物中毒」のような状態が慢性化していることは誰も知っているが、それが当たり前だと思っている。収入・支出の均等という根幹が崩れていて、無責任な放漫財政が続く。

 政治思想の変節もひどい。「集団的自衛権」は憲法違反だが、それが「存立危機事態の解釈」の議論になし崩しで変わりつつある。原発や辺野古容認、日米同盟重視。これではスピードが速いか遅いかの違いだけで自民党の未来像と変わらない。かつての与党と一緒になってどさくさに紛れて政権を横取りしようとしてうまくいかなかった、という風に見える。

 で、どうする
 どうするもこうするもない。ナショナリズム、全体主義、国家主義、これらの権力の横暴は嫌い。排外主義や差別主義も嫌い。それらが集約された戦争も嫌い。現在の権力や格差や矛盾や息苦しさの底にあるのは何か。それを考え続けて自分にできることをする。

おまけ。前回語れなかった消費税について
 歴史的経過はちょっと無視して言うと、人間は生きて、生活するうえで、個人や法人が自分だけでやることが無理なことはお金を出し合ってする。このお金が税金で、そのためにやる仕事が行政で、働く人が公務員。税金をどのようなことに使うのかを決めるのが政治。税金はなるたけ少なくて、行政サービスが充実している方が良い。それができれば良い政治。できなければ悪い政治ということになる。

 僕は税金には「良い税金」と「悪い税金」があると思っている。「良い税金」は、市民がどれだけの税金を自分が負担しているのかを理解していて、見えやすく、分かりやすい税金。「悪い税金」は、市民が知らないうちに取られたり、一体どのくらい、なぜそれを払わなければいけないのかが理解できない、見えにくく、分かりにくい税金のことだ。電気代やガソリン代に上乗せされていたり、価格に含んでいたり、あるいは給与や年金から天引きされていたりするようなお金がある。それは、実質的には額や割合が決まっていて、半強制的に徴収されるのだから、厳密にいえば「税金」とは呼ばれていなくても実態は「(悪い)税金」である。

 消費税は「良い税金」であり、自分でその割合(%)がわかっているし、買い物をすると実際いくらの税金を納入したのかがわかる。この世は消費社会で、市民の消費動向が消費税には反映するから、不況になれば消費税の納入総額も減るし、逆に景気が良くなると消費税の納入額は増える。つまり、ただ見えやすくわかりやすいかだけでなく、国民の生活や市場の動向と密接に関係している。

 だから、もし減税したり、税金を廃止するようなことがあれば、消費税のような「良い税金」ではなく、「悪い税金」からにしてほしい、と僕は思っている。本当にできるのかどうかも疑問だが、国民のご機嫌取りで消費税減税をして、知らないうちに(「悪い税金」で)しっかり増税されていた、ということにならないように(なりそうな気がする)、してもらいたい。

 

◎「分断」と「民主主義」

8 人はみな違う。性別も顔も、身長も考え方も生まれた場所も違う。皮膚や眼の色や、言葉や宗教や部族や民俗や国家や文化や歴史も違う。人はもともと「分断」されている。しかし人は一人では生きられず、共同生活を営まないといけないから、その「分断」を減らすような努力をしてきた。それが人類の歴史の一面である。

fig43037_02 政治もいろいろな主義主張や思想や党利党略が絡んでいるから、もともと「分断」されている。いくつかの政党があるのも、政治が「分断」されている証拠である。

 有権者はそれを選択する。これが一番はっきりするのが選挙である。迷っても、「こっちがましか」と思ってどこかの政党や立候補者に一票を入れる。

 そして選挙が終わると、「分断」がなくなるわけではないが、議論して、譲歩して、お互いの長所を取り込んで、それを一定の政策に反映させる。いろいろな不満(分断)が残っても、別の手段で、あるいは次の選挙でそれを解決させようとする。つまり、議論や相談することで、今ある「分断」をなるべく減らそうとすること、これが「民主主義」である。

 しかし「分断」を減らすやり方にもいろいろあって、「民主主義」に行きつかないことも多い。

jjfig43037_06 その一つに、権力が、時には軍事力を使って「分断」をなくそうとすることがある。つまり戦争である。

 年明け早々、トランプがベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領を拉致した。今後も政権運営に介入するつもりらしい。ベネズエラの原油が欲しかったとか、中国の影響力を排除したかったとか、キューバを崩壊させたかったとか、いろいろ言われているが、多かれ少なかれ全部当たっていると思う。

 僕が思い浮かべたのは1895年の「閔妃暗殺事件」と1910年の「韓国併合」だった。自分に対立する政治有力者を殺害したり拉致したりして権力に介入し、それがうまくいかなくなると領有して植民地にする。

 「敵」を倒し弱体化させて「分断」をなくそうとして、最終的には弱肉強食で「併合」する。

  しかし「分断」はなくなるわけではなく、ふつうは、一層その「分断」がひどくなる。ベネズエラやパレスチナや、もちろんウクライナもそうだが、戦争が起こると「分断」はより深まる。権力が全体主義や絶対主義で強権をふるうと、戦うか、従属するか、逃げるかの選択が迫られるからである。そこには「民主主義」が存在する余地はなくなるか、すごく狭くなる。

GMs7elIaQAArllO 戦争は「分断」を解消するやり方として、「民主主義」の正反対にある

 中国や北朝鮮のせいで、東アジアの安全保障環境は悪化しているという。つまり「分断」が深まっているという。それに対して日本は軍事力を増強・拡大させるのだという。それで安全保障環境は安定して「分断」はなくなるらしい。しかし中国や北朝鮮は安全保障環境がさらに悪化したと思うだろう。だから自分たちの軍事力を増強・拡大しようとするだろう。そうすればさらに日本の東アジアの安全保障環境は悪化するだろう…。要するに「分断」はさらに深まるだろう。

 このようなやり方では「分断」がなくならないのは子供でも分かる理屈だと思うが、日本では増税してまで軍拡を続け、要するにさらにいっそう「分断」を深めようとしている。中国や北朝鮮との間にある「分断」をなくすことが目的ではないのか?それともただ単に戦争をはじめて死にたいのか?僕にはいったい何がやりたいのか理解できない。

 ポピュリスト政治家はしばしばデタラメな根拠と理屈で「分断」を捏造する。あなたを本当は優れているのに抑圧された被害者に、「敵」を本当は自分よりも劣っているのになぜか偉そうにしている加害者に仕立て上げる。米国のように1%の富裕層が99%の富を独占するほどではなくても、日本も年々格差は広がっていて、そのうえ閉鎖社会だから、経済的に貧困な人や精神的に閉塞している人はたくさんいる。「分断」をつくり出して、「犬笛」を吹いて、怒りを「敵」に向けさせることで、その人たちが抱えた「劣等感」を「正義感」に変えようとする。トランプを代表とするポピュリスト政治家は、自分が彼らのリーダーになるためと、市民の目をほかに向かわせないようにするためのメクラマシとして、こうして「分断」をつくり出す。ここには必ず、ウソとゴマカシ、優生思想と差別意識が絡んでいる。

 高市首相も今回の選挙に勝って、「国論を二分するような政策」がやりたいそうだ。「二分」、つまり市民を「分断」したいらしい。おそらく中国か、外国人か、国旗か何かを使って、デタラメを並べて「分断」をつくり出し、「敵」をつくり出す。そして「二分」のままでは政策はできないから、その「敵」をひねりつぶさなければならない。そうすることで、自分の思い描く「強い」国家を作りたいらしい。サッチャーにあこがれているそうだが、トランプの真似をしてみたいのだろう。

 高市首相が思い描く「強い」国家像がどういうものなのかは具体的には分からないが、僕は嫌悪しか感じない。これが「二分」ではなくてせめて「三分」であればまだ良いのだが、高市首相の「分断」政策は「民主主義」を衰退させるとしか思えない。そしてもっと他にやらないといけないことがたくさんあると思うから、ゴマカシにしか見えない。だから希望がもてないし、いいなあと思えない。

 消費税についても書こうと思ったけど、それは今度にします。

 僕は、消費税はほかの税金よりもまだマシな税金だと思っています。だから財源の当てもないのに、軍拡で増税するのに、他の税金については触れないままで、ただバラマキで「消費税減税」を唱える政治家や政党は信用できないと思っています。

◎2026年1月22日 現状分析のような雑感

9dd04_1 できたばかりの内閣で、まだ何もやっていなくてこれから議論が始まると思っていた矢先に、高市首相から「信を問う」といわれてもピンとこない。「解散権」の乱用であり、自分の求心力を高める目的だけでやる選挙に、地方自治体はじめとする大変な労力と、700億円の税金をつぎ込むのは間違っている。首相であれば、不信任決議案が可決された場合を除き、せめて最低2年間は首相を続けることを義務化すべきだと思う。

hq720 何をやろうとしているのかは具体的に明らかではない。権力の座に座って、「国論を二分するような政策」をやりたいそうである。議論がしたいのであればいまだってできると思うが、要するに「すごいことをやるからともかく自分(自民党)に票を入れて、自分をもっともっと強い権力者にしてくれ」といっている。与野党が伯仲していたり、党内で自分に従わない政治家がいるから、黙らせたいのだろう。それを言うと反発する人間が増える可能性があるから、「国論を二分するような政策」についてはわざとその内容を言わずに、700億円をつかって、ポピュリズムでの勝利にかけたのだろう。これを「もったいない無駄遣い」と思うか思わないか、「怖い」と思うか思わないかの感覚が問われているような気がする。

 しかし、やけくそにせよ、選挙に踏み切ったのは、「勝つ」可能性があると思っているのだろう。このまま国会で議論が始まったら、自分と統一教会との関係や、維新をはじめとして与党議員のぼろが出るし、人気が維持できるかどうかわからないのだから、チャンスが少しぐらいはある今のうちに選挙をしたほうがいい。選挙をするのはいまだ。選挙で勝って党内の求心力が高まれば権力の座に座っていられる。そうすれば軍拡も、非核三原則の見直しも、スパイ防止法も、国旗損壊罪も、外交人排斥法もできるし、選択的夫婦別姓案をつぶして、国費と企業献金の二重取りも続けられる、と考えたのだろう。国民はそれを支持してくれると思っているのだろう。

 選挙に勝てると思っているのは、野党が弱いからだろう。野党は大政翼賛会になりつつあって、十五年戦争の時のように、「台湾有事」でも起こせば総動員体制ができて、「一億火の玉」になって、どうせ皆が政権に従うことになるから放っておいても大丈夫。
 また、自分が国民に人気があると思っているからだろう。自分は石破よりも人気があるから議席を増やせるはずだ、と思っているのだろう。だから裏金議員を公認しても勝てると思ったのだろう。下手に「政治と金」の問題に手を出すと、収拾がつかなくなって持たないと思ったのだろう。

 ここまで書いて、いやになりました。ある程度は、正確な現状分析だと思うのですが、そもそもなぜこのような無責任で危険な政権が誕生してしまったのでしょう。トランプはやりたい放題で、国民の人気がなくなると、やることがどんどん荒っぽくなっていくし、「…日に日に世界が悪くなる…」の歌のとおりで、あまりにも夢も希望もない。

 おわりが「…今夜も散歩しましょうか」というのは、要するによく考えて、「投票所に行こう」ということなんですかね? (若槻)

 
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